旧愛宕山ケーブル跡(鋼索線)探索記

当時(昭和4年)東洋一の長さを誇った京都の
日本写真家協会会員 撮影:出水伯明氏 
        
昭和4年7月25日開業〜昭和19年廃業
航空写真より見る鋼索線跡
私は以前から,,山が好きである。
         我が家から近いこと。
         私の父方の先祖(中川好庵)が祀られている。
関係から愛宕山にはよく登ってきました。この山でトレーニングをすれば、日本の山は何処でも行ける!と確信しています。
 これまでに、この山の主な登山ルートは経験してきましたが、ただひとつ以前から気になっていたのが、戦前に存在していた当時東洋一の長さを誇ったと言われたケーブル跡(鋼索線)を登ってみたい!という願望でした。
 
 表参道の登り口にあった茶店屋の親父(すでに他界)から、何度も愛宕山にまつわる昔話の中でケーブルの話や、上には自動ドア(?)の付いた素晴らしいホテルがあり、そこからの京都市内を見る展望は最高だった。ホテルの近くには遊園地もありよく遊んだものよ!と言っておられたのを想いだします。 
 
 開業当時、ケーブルは大変珍しく休みの日などは、満員で列になって人が並んでいたらしい。編成は二両で定員は84名。あまりに列をなすもんだから、定員の倍ほどの人を詰め込み、営業当初はよく停止したそうです。

 当時、下の清滝川駅から、上の愛宕駅まで2・3キロを約11分で
到着したそうです。


およそケーブルの軌道は、全国どこでも山を約30度平均角度で、しかも一直線に上に向かって登っています。
 それを登るんですから、その苦しさは理解出来るとおもいます。まして軌道横の階段状の石段を登るんです。
登り始めて最初のトンネル。前方に明かりが見えていますが、なんとなく単独で入るのは・・・・・気持ちのいいものではありません。
下はトンネル内部の映像です。両端に階段状の足場が続いています。中央にはレール跡の敷石部分です。
往時、この上にレールが乗り、ケーブルが頂上を目指して登っていた風景が想像できそうです。
三番目のトンネル。内部崩壊の為に暗闇。
四番目の短いトンネル
左の写真は、上りと下りがすれ違う所です。
レール跡が4本あるのがよくわかりますね。
この場所は、およそ表参道の五合目から少し上の標高と想像して頂ければよいかと思います。
戦時中の鉄材徴集の影響をもろに受けた残骸。
ケーブルに送る電源の鉄柱が、根こそぎ切断された跡です。
上の写真は、長い年月の間に風化され、苔が付き、木々が生えている。
この場所(5番目と6番目のトンネル間)は、出水氏の航空写真に写っている所です。
ここから、東側に下の写真のような展望が飛び込んできます。
これまで色々なルートから愛宕には
登っていますが、こんな景色は初めてでした。
右やや膨らんでいるのが「比叡山」。
左遠くに見えるのが「比良連峰」。
右写真の場所の下。ものすごい橋脚で支えられております。
この二枚の写真で判ると思いますが、小さな尾根と尾根の間は、このような頑丈な橋脚でもって、支えられているんです。
いまから75年前に、殆んど人力でこの急峻な場所に、よくもこのような土木工事をされたもの・・・・。
右は終着の「愛宕駅」の残骸。
下の二枚の写真は、機械室内部。大きなモーターで二台のケーブルカーを、巻き上げたり、降ろしたり・・・・・何か往時の音が聞こえてくるような錯覚にとらわれました。
駅舎の内部。
沢山の人が、ここで順番を待たれた所でしょうか?
二階には何があったのかな?
頂上の「愛宕駅」正面玄関です。
当時は、シャレたオレンジ色の建物だったそうです。
登り終えて判ったのは、このケーブルは愛宕山で最も視界の開けた所に設置されていた事。
現在の表参道が取り付いている尾根の東側にあります。古い記録によると、元々は、この尾根の
西側(今の、落合橋当りから直線で8合目水尾別れの下部地点)に計画されていたそうです

 約75年前には、このケーブル跡を覆い隠すような樹木は無かったと思います。昔の人はケーブルカーの窓から、眼下に京都市内、遠くは比良連峰、比叡山、東山連峰を眺め・・・・・・羨ましいな!
昔の愛宕関連の書物によると、愛宕山から、「富士山」がみえた。と書かれている。

トンネルは合計6個。その内二箇所は内部崩壊していて中は通れません。そこは右手の山を迂回して
登るわけですが、これが大変。踏み跡が殆んど無く、下手をすれば迷います。要注意!!



当時の「愛宕駅」
最後の六番目のトンネル
当時の愛宕ケーブル
昭和4年7月25日 鋼索線開通を機会に発行された案内図
上の案内図は、昭和ひとけた中頃から後期発行のものです。山の上には、スキー場、愛宕神社、飛行塔、愛宕ホテルが表示され、その下に、ケーブル愛宕駅も表示されています。左側の表紙絵に注目。「桜」「紅葉」「愛宕スキー場」「愛宕神社」を描くことで一年中観光出来る事をPRしている。
2004:06:04